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フラット35を上手に活用しよう『幅広い融資対象者』編

家計のホームドクター、ファイナンシャルプランナーの高村です。

今年2月のマイナス金利導入に伴い、住宅ローンは過去に例を見ないほどの超低金利時代に突入しました。

2016年7月現在、フラット35の金利は0.93%。なんと1%を割り込み史上最低の金利となりました。
(融資期間20年超35年以内・融資割合9割以下の場合)

このチャンスに何とか住宅を購入したいと考えている方も多いと思います。

今回はフラット35ならではの活用方法について2回シリーズでお伝えしたいと思います。



フラット35の5つのメリット

フラット35は住宅金融支援機構と民間金融機関がコラボをした全期間固定金利型の住宅ローンです。この住宅ローンのメリットは次の5つです。

①業界最低水準の全期間固定金利
 15~35年の間で融資期間を決めえることができ、全期間固定金利なので将来の金利上昇を気にすることなく安心して返済することができます。

②幅広い融資対象者
 自営業者や年金受給者、転職者、派遣社員、パートの方でも対象になります。

③幅広い物件・条件での利用が可能
 セカンドハウスや親族用の住宅にも利用できます。

④保証料0円、繰り上げ返済手数料0円
 一般的な住宅ローンに必要な保証料は不要。保証人も不要です。
 また、返済中に繰り上げ返済や返済方法の変更を行っても手数料がかかりません。

⑤借換え融資に使うことが出来る
 一定要件を満たすことが条件ですが、銀行ローンからの借換えはもちろんフラット35からの借換えも可能です。
 また、借換え時の融資手数料・登記費用・団信特約料・印紙代は融資対象になっています。

以上がフラット35のメリットです。
今回はこの中で②の『幅広い融資対象者』について詳しく解説していきたいと思います。



幅広い融資対象者

民間金融機関では融資を断られてしまう、あるいは融資金額の減額や高額な保証料を提示されてしまうなど、融資条件が不利になってしまう方に対しても融資できる可能性があります。以下いくつか例を挙げてみると、

①自営業の方や派遣社員、パートの方も対象
 フラット35は職業・業種による選別を行っていません。継続性があると判断できれば申込者・収入合算者とも全額を収入としてみてもらえます。専従者が奥様やお子様で連帯債務者となられる場合は専従者の給与収入を全額合算可能です。

②年金受給者(無職)でも対象になる
 永続的な年金であれば収入としてみなすことが出来る。公的収入証明書で確認します。

③転職者、就職・起業後間もない方も対象
 フラット35では勤続年数の最低期間を定めていません。
 安定した収入があると判断できれば融資可能です。ただし開業されたばかりで確定申告をされていない方は対象外ですのでご注意ください。

④団体信用生命保険に加入できない方
 フラット35の団信は加入が原則ですが、病歴などの理由で団信に加入できない場合でも融資対象になります。
 ただし、団信がないということは残された遺族に大きな負債を残しかねないので、ご自身で加入済みの生命保険を見直すことも必要です。

⑤永住許可を受けている方
 一般的には日本国籍がないと融資制限を受けることが多いのですが、フラット35では日本国籍でない方でも、永住許可を受けている方や特別永住者であれば原則として融資可能です。
 審査も日本人と同じ方法で行います。



申込の事例

それでは、具体的にどんな方が融資をうけられたのか事例をいくつかご紹介します。

事例1:単独での申込の場合

《申込人》 夫 35歳 自営業 年収330万円
     開業して1期目の確定申告は済んでいる。

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本人年収 330万円 
ポイント:開業し1期目の確定申告を実施しているため申告所得が確認できるので融資可能となる。



事例2:収入合算をする場合(夫婦)

《申込人》 夫 30歳 会社員 年収360万円 勤続1年4か月
《連帯債務者》 妻 30歳 パート 年収90万円

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本人年収+妻年収 360万円+90万円=450万円
ポイント:夫は勤続1年以上のため1年分の収入は確定していた。勤続年数は短いが所得の確認ができた。
    また妻はパート勤務だが、連帯債務者になることが出来た。



事例3:収入合算の場合(親子)

《申込人》 息子 27歳 会社員 年収350万円 (息子の妻 27歳 専業主婦)
《連帯債務者》 父親 62歳 会社員(再雇用) 年収200万円

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息子収入+父親収入 350万円+100万円=450万円
ポイント:連帯債務者(父親)の収入を50%以下で合算する場合、返済期間は35年が上限申込人(息子)の年齢が基準となる。

息子収入+父親収入 350万円+200万円=550万円
ポイント:連帯債務者(父親)の収入を50%を超えて合算する場合は返済期間は17年父親の年齢が基準(返済期間は80歳まで)となる。




事例4:親子リレー返済

《申込人》 父親 66歳 無職 年収180万円(年金収入)
《連帯債務者》 息子 34歳 契約社員 年収340万円

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父親年収+息子年収 180万円+340万円=520万円
ポイント:年金受給者の方でも親子リレーローンの主債務者になることが出来た。
    また、返済期間も息子の年齢を基準とすることが出来た(最長35年)。



事例5:親子リレー返済

《申込人》 母親 53歳 パート 年収120万円
《連帯債務者》 娘 28歳 会社員 年収320万円

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母親年収+娘年収 120万円+320万円=440万円
ポイント:パート勤務であっても親子リレー返済の主債務者になることが出来た。
    返済期間も娘の年齢を基準とすることが出来た(最長35年)。




今回のまとめ

今回、フラット35の5つのメリットのひとつ『幅広い融資対象者』の事例をご紹介させていただきました。

住宅が必要になる時期や理由は人それぞれです。子育て中のため現在は奥様が専業主婦であったり、独身女性だからローンの審査が厳しかったりと、これまで住宅購入を諦めてきた方には参考になったと思います。

低金利時代だからと言って、私はやみくもに無謀な住宅購入を薦めているわけではありません。住宅購入は人生で最も高い買い物、ゆえ、ライフプランを基にしっかりとした返済計画を立てた後に実行していくものです。その実行のお手伝いを私たちファイナンシャルプランナーが行っています。

住宅購入で何か知りたいこと・気になることがあれば気軽に相談に来てみてください。

次回は、フラット35もうひとつのメリット『幅広い物件や条件の利用が可能』について解説していきます。

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高村 忠宏

ファイナンシャルプランナー

高村 忠宏(たかむら ただひろ)

相談者のライフプランをサポートすることをまず第一に考え、それを実現するためのコンサルティングを行っている。

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